2017-08

[三文役者コラム]「深夜に走る」というコト。第6夜 - 2014.12.09 Tue

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 正直、自転車に乗ったお巡りさん(たしか2人だったと記憶しています)を見た時は「助かった~」というより「いや(僕も含めて)3人じゃ無理でしょ~」と思ったのですが、お巡りさんが川に浸かった先方とやりとりをしている間に、けたたましいサイレンとともにパトカーと消防車らしき車両が何台も現場にやってきました。これまた正直、今度は「ちょっと大袈裟なんじゃ……」というくらい狭い通りは車両で埋め尽くされ、救助隊員の方がハシゴやロープの準備を(テキパキと)はじめました。さらに、ちょっと遅れて到着した赤いマイクロバス(あんな車両はじめて見ました……)からはダイバーっぽい装備の隊員まで数名現れ、なんだか現場は一気に明るく(雰囲気じゃなくて照明のことですよ)そして賑やかになってきました。

 この時点で第一発見者である僕がどういう扱いを受けるのかまったく想像もつきませんでしたが、もう寒い時期だったこともあって、第一もなにも僕と先方以外(お巡りさんが来てくれるまで)、周囲には誰もいなかったのです。内心、僕が最も怖れていたのは、先方がデタラメなコトを言って話がややこしくなることでした。僕からすれば今回の件も、先の記事でも書かせていただいた「深夜の不埒者」による仕業であり、申しわけないのですが先方は信用に足る相手ではありません。となれば、逆恨みほかの理由で「コイツに突き落とされたんです」とか言い始める可能性だってゼロとは言い切れません。が、救助作業と同時にはじまった、簡単な事情聴取と現場検証の担当者である刑事さん(なのかな?)と消防の方は、そこを疑う様子は最初から一切なく、僕も僕でこんな芸風だし、職質アイドル経験者として少しは疑われることも覚悟はしていたので、ここでようやく肩の荷が下りた気がしました。

 現場検証では、僕の連絡先と僕が現場で目撃したことやお巡りさんが到着するまでの僕の行動を簡単に話し、なぜか僕が現場を指差す写真を撮影しました。もしもの時のために僕を写真に収める、という事情は理解できるのですが、内心「僕が現場を指差すポーズって必要なのかな~」と思いながら撮影に協力させていただき、そのあと刑事さんが「これでイイですか?」とデジカメに収めた画像を僕に見せてくれました。別にメアドを教えたら送ってくれるような写真でもないのに、この日常っぽいやりとりにはチョット笑ってしまいました。

 その後も、意識朦朧とした先方を川から引き上げる作業は慎重に続きました。すっかり手持ち無沙汰となってしまった僕は現場付近で(走行時に適温になる格好だったので)ひたすら寒さを堪えて様子を見ているだけだったのですが、現場を通りかかった深夜のランナーさんが、立ち止まって救出作業の様子を見ていたので話しかけてみました。彼に事情を全部説明して、こういうコトもあるらしいから気をつけて下さいね~、と伝えるつもりだったのですが、それよりも先にランナーさんから「いやあ、僕も先日まったく同じ体験をしたんですよ~。よくあるコトらしいですよ」と言われました。いやいやいや、んなこたないでしょ〜、と、どちらかというと認めたくないという意味で刑事さんにも「こういうコトって、よくあるんですか?」訊ねてみたところ、刑事さんはとても困ったという表情で「ええ、よくあるんですよ~」という返答が。その後、先方は無事(?)に川から引き上げられました。当然、僕にも先方に対して直接言いたいコトはあったのですが、以降はニュースなどでおなじみのブルーシートで彼の周辺を囲まれてしまったので、僕は彼に近寄ることはできませんでした。

 結局、2時間弱くらい現場にいたのですが、いいかげん寒さも限界に近く、僕は刑事さんに「あの~、そろそろ帰ってもイイですか?」と訊ねたところ、あれ? まだいたの? 的ニュアンスで「はい。ありがとうございました!」とお礼の言葉をいただき、ああ、本当によくあるコトだったんだな、と確信して僕はブルブル震えながら帰路につきました。後日、思いっきり風邪をひいてしまった僕は、ここまで面倒くさいコトに今後も巻き込まれる可能性があるのなら、もう深夜に走るのとか止めようかな~、と少しだけ思いました。が、逆に考えるとあの時、僕が偶然にも現場に居合わせたことで(たとえ先方が望んでいなかったとしても)助かった命があったと思えば、深夜に走るリスクと今回の件は簡単に一緒にはできません。むしろ、僕自身がなにかの間違いで深夜に川に落ちたり大ケガをしてしまった時、果たして誰かに助けてもらえるのだろうか? というコトについて考えることが、今回の件で得るべき教訓なんだろうと思いました。

 なんだかオカシなネタが続きましたが、次回からはハートウォーミングな通常営業に戻ります! たぶん。

(つづく)





あの騒ぎから月日は流れ、週末の深夜4時、ここは池袋駅東口、そしてサンシャイン通りです。深夜高速徘徊をはじめてから、池袋駅まで距離を延ばすことは大きな目標のひとつでした。が、実際ここまで走ってみて思ったコトは、その光景は酔っぱらって始発を待つ時に見る景色とまったく同じで、なんかもう達成感もなにもありゃしない、というか僕はナニを期待してこの場所まで走るコトにこだわっていたのでしょうか……。おまけに馴染み深い遊び場に薄着のランニングウェアでいるコト自体、なんだか妙にこっ恥ずかしいし!



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